MENU

「蜂の巣」の種類。想像以上の蜂の巣が存在。僕たちが知らない蜂の巣をご紹介。明日話せる「種類」のトリビア

皆さんは蜂にどんなイメージをお持ちでしょうか。

  • 刺されたら大変なことになるから怖い
  • はちみつは好きだけど、蜂自体はニガテ

このように思う方が多いかも知れません。軒下や近くの公園の茂みに、蜂の巣があると聞くと、心配になりますよね。

でも、本当に蜂は危険なだけでしょうか?「蜂」だけでなく「蜂の巣」に着目すると、違った側面が見えてきます。

そこでこの記事では、意外な「蜂の種類」と「蜂の巣の種類」について見ていきます。

目次

集団行動をする「蜂の巣の種類」

「蜂の巣」は、蜂の習性によって、その「形」や「規模」に違いがあります。

ここでは、集団行動をする代表的な蜂たちを紹介します。

「スズメバチの巣」の種類と特徴

【4月頃】

冬眠から覚めた女王蜂が1匹で巣を作り始めます。

巣に卵を産み、子育てをしながら、巣を作っていきます。この段階ではまだ巣は小さく、電灯の傘のような形や、フラスコを逆さまにしたような形をしているという特徴があります。

【7月頃】

成長した働き蜂が巣作りに加わるため、巣は一気に大きくなります。

1ヶ月で30cm近く大きくなることもあります。

【9月頃】

丸いマーブル模様の特徴のある巣が完成します。内部は「巣盤(すばん)」という蜂の住みかが幾層にも連なる多重構造になっています。

巣は大きいものでは90cm程にもなり、巣の中には1,000匹を超える「スズメバチ」がいることも。

【冬】

やがて冬になると、次の女王蜂となる蜂以外の蜂は、冬を越すことができないため、死んでしまいます。

女王蜂候補は朽木の中などで冬眠するため、「スズメバチ」の巣は、空き家となります。

「スズメバチの巣」は何でできている?

特徴的な模様で不気味な印象のある「スズメバチの巣」。何で作られているかご存じでしょうか。

それは、木の繊維です。枯れ木から繊維をかじり取り、唾液に含まれるタンパク質で固めていきます。

それぞれの働き蜂が、違う木材を持ち帰るので、あのようなマーブル模様になるというわけです。

巣がつくられやすい場所

「スズメバチの巣」は、家の軒下や木に作られるイメージがあるかも知れませんが、「スズメバチ」の種類によって作られる場所に違いがあります。

日本には17種類の「スズメバチ」が生息していると言われています。

「コガタスズメバチ」や「ツマグロスズメバチ」などは屋外に巣を作ります。

「ヒメスズメバチ」や「モンスズメバチ」は木の中や壁の隙間、屋根裏などの閉鎖空間に巣を作ります。

なお、「キイロスズメバチ」は屋外でも閉鎖空間でも巣を作るため、街中で一番遭遇しやすいと言われています。

最も危険とされる「オオスズメバチ」は土の中に巣をつくります。低い位置で飛んでいる蜂や、歩いている蜂がいたら、近くに巣があるのかも知れません。

「スズメバチの巣」は「縁起物」?

女王蜂はたくさんの卵を産むことから、「子孫繫栄」の象徴とされています。また、働き蜂が巣を頻繁に出入りする様子から、「千客万来」「商売繁盛」といった願いも込めて、お店の入り口に飾ることもあります。

その他にも「無病息災」(「スズメバチ」の生命力が強いことに由来)や「金運上昇」(巣に黄色い蜂が群がることから、お金が集まる様子を連想)などの願いが込められています。

ただ、「スズメバチ」の巣は非常にもろく、良い状態で保管するにはとても難しいようです。

「アシナガバアチ」の巣の種類と特徴

【5月頃】

「アシナガバチ」も、冬眠から覚めた女王蜂が単独で巣を作ります。まず小さな巣を作り、そこに卵を産みます。20日くらいで成虫になり、働き蜂として、女王蜂に代わり、巣を作っていきます。

【7~8月頃】

働き蜂の活動がピークとなり、巣も10〜15cmくらいの大きさになります。「スズメバチ」の巣に比べると小ぶりですが、育房(いくぼう)と呼ばれる子供を育てるための部屋が、200を超えるものもあります。

【11月頃】

女王蜂と働き蜂は亡くなり、新しい女王蜂が、落ち葉の下や朽木の中で冬眠します。

「アシナガバチ」の巣の形は、シャワーヘッドのような、蓮の実のような形といわれています。巣穴がむき出しになっていて、「スズメバチ」の巣のように外被で覆われていません。

巣の材料は、木の皮や植物の繊維です。

それらをかみ砕き、唾液と混ぜ合わせて作っています。見た目は脆そうですが、実は頑丈で、「スズメバチ」の巣より丈夫です。

雨風を防げる、屋根の下や軒下、ベランダ、エアコンの室外機の中などに巣を作ります。

日本に生息するアシナガバチは、11種いると言われています。種類によって巣の形や大きさなどは多少異なりますが、大きな違いはありません。

「アシナガバチ」は「益虫」

「アシナガバチ」は蛾や蝶の幼虫を餌とするため、農作物を害虫から守ってくれるのです。

比較的大人しい性格と言われていますが、針には毒があり、刺されると危険です。むやみに刺激しないようにしましょう。

「ミツバチ」の巣

「ミツバチ」は、これまで見てきた蜂と違い、女王蜂だけでなく、巣の中で集団で冬を越します。
2、3月に活動を始め、10、11月頃まで続きます。

春から初夏に新しい女王蜂候補を産みます。すると、これまでの女王蜂は、巣の半分ほどの働き蜂を連れて移動します。巣の中に、女王蜂は2匹いられないからです。

「ミツバチ」の集団は、新しく巣が作れそうな場を探し、適した場所が見つかるとそこに巣を作ります。

これを「分蜂」(ぶんぽう)と言います。

このように、「ミツバチ」の巣は増えていくのです。

「ミツバチ」は屋根裏や床下、壁の隙間などに巣を作ります。

巣の形は、「巣板」と呼ばれる板状のものが、何枚も垂れ下がって並んでいるような形状をしています。大きい巣では10枚あるものも。蜂の数は、小さい巣では3,000匹、大きい巣では50,000匹もいると言われています。

「ミツバチ」の巣は、蜂の身体から分泌される「蜜蝋」(みつろう)という成分を、口でかみ砕き、唾液と混ぜて作ります。

巣の表面は正六角形が規則正しく並んでいますが、これは「ハニカム構造」と呼ばれています。

少ない材料で出来るだけ広く頑丈な空間を作り、衝撃を吸収する力もあります。

この「ハニカム構造」は、私たちの生活にも応用されていることをご存じでしょうか。サッカーのゴールネットや飛行機のフラップ(翼の後縁(こうえん)などに取り付けられている可動翼。飛行機の揚力を増大させる装置)などに応用されています。

身近なところに、蜂たちの自然の知恵が活用されているんですね。

単独行動をする蜂の巣の種類

「スズメバチ」や「ミツバチ」は、女王蜂がたくさんの卵を産み、女王蜂を中心とした集団生活を送っています。

それとは違い、単独行動を取る蜂の種類もいます。その蜂たちがどのような巣を作り、生活しているのでしょうか。

「アナバチ」の巣

「アナバチ」はその名の通り、地面や木の中に穴を掘って巣を作ります。

種類によって、巣の部屋が一つの「単房室」型と、複数の部屋を作る「多房室」型に分かれます。

親は巣の中で卵を産み、卵がかえると成虫になるまで、エサとなるクモやバッタなどの昆虫を与えます。

「アナバチ」は比較的大人しい性格で、巣を刺激するようなことがなければ危険性は低いです。

「ドロバチ」の巣

乾いた粘土質の土と水、唾液をこねて巣を作っていきます。一見するとただの土の塊のように見えて、実は蜂の巣だった、ということもあるようです。

主に木の枝やベランダ、床下や屋根裏などに巣を作ります。

「ドロバチ」は巣を作って卵を産んだ後、その中に幼虫のエサとなる蝶や蛾の幼虫を運び込みます。巣の中がエサでいっぱいになると、巣の入り口を泥で蓋をします。そして親の「ドロバチ」はその巣から離れ、もう戻ってくることはないそう。卵からかえった「ドロバチ」の子は、親が集めたエサを食べて成長し、やがて巣から飛び立って行きます。

巣を作らない蜂がいる?捕食寄生をする蜂の種類

これまで、様々な巣を作る蜂たちを見てきましたが、蜂には巣を作らない種類も存在します。では、どのように子を産み、子孫を増やすのでしょうか。それは、他の昆虫などに卵を産み付け、寄生させるという方法です。
このような行動をする蜂を「寄生蜂」と言います。
最終的に寄生者が宿主を殺してしまうことを「捕食寄生」と言いますが、そんな「捕食寄生」をする蜂の種類を2つご紹介します。

クモヒメバチ

「クモヒメバチ」は蜘蛛に1つだけ卵を産み付けます。幼虫になると、蜘蛛の身体の外側に張り付き、蜘蛛に普段通りの生活をさせます。その間も、蜘蛛の身体から体液を吸って成長していきます。

卵からかえって10~14日後に、さなぎになる準備を始めます。さなぎの間の安全を確保するために、蜘蛛を操って頑丈な構造の巣を作らせます。
粘着性のある横糸をはずし、強度のある縦糸で作っていきます。また、その縦糸には「装飾糸」という糸がついています。この「装飾糸」には紫外線を反射する性質があり、昆虫や鳥が巣を避ける効果があります。
この巣のおかげで、「クモヒメバチ」は安全に過ごすことができるのです。

巣が完成し、さなぎになるタイミングで蜘蛛の体液を吸いつくし、殺してしまいます。
「クモヒメバチ」はさなぎになった約10日後、成虫となります。

アオムシサムライコマユバチ

「アオムシサムライコマユバチ」は「モンシロチョウ」の幼虫に寄生する蜂です。
幼虫の体内に、約80個もの卵を産み付けます。約14日後に「アオムシサムライコマユバチ」は、幼虫の身体を食い破って外に出てきます。そして繭を作ってさなぎとなり、7~10日後には羽化します。
「モンシロチョウ」の幼虫は、そのまま死んでしまいます。

食べられる蜂の巣

「蜂の巣」は食べれるってご存知でしたか?ここでは食べられる「蜂の巣」を紹介します。

巣蜜(すみつ)

「ミツバチ」たちが集めた花の蜜は、巣に蓄えられます。その巣自体が食べられることをご存じでしょうか。

「蜜蝋」(みつろう)で作られた巣に集められた蜜が、余分な水分が抜けて熟成すると、「ミツバチ」は蜜蝋で蓋をします。これを「巣蜜」と言います。
はちみつと一緒に瓶に詰められていたり、巣蜜そのものが箱に詰められて売られています。歯ごたえがある独特の食感で、はちみつとはまた違った味わいがあるようです。巣蜜をそのままスプーンですくって食べたり、トーストやクラッカーにのせたりと、デザート感覚で食べることが多いようです。

海外の場合

タイやカンボジアの市場では、枝が付いた状態のミツバチの巣が売られています。もちろん巣には、はちみつが詰まっていますが、一緒に蜂の子もいるのが一般的。そのまま蜂の子ごと生で食べたり、焼いたり蒸し焼きにして食べるそう。蜂の子は栄養価が高いため、貴重な食料の一つなのでしょう。
日本でも、昔から蜂の子を食べてきた地域があるので、蜂の子入り巣蜜に、抵抗を感じない方もいらっしゃるでしょうか?

いかがだったでしょうか。
「スズメバチ」のような危険な蜂の他にも、個性的な蜂がたくさんいました。
私たち人間が、蜂に危害を加えないように気を付けながら、上手に付き合っていけたら良いですね。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次