日本には約800種類、世界には約30,000種のカミキリムシがいます。
カミキリムシの幼虫が樹木の中身を食べる点で害虫と見なされる一方で、昆虫好きから高い人気があるカミキリムシ。
この記事では日本や世界にいるカミキリムシの種類や、大きさ、色などさまざまな視点からさまざまな種類のカミキリムシを紹介します。
カミキリムシの名前の由来
カミキリムシの「カミキリ」は漢字で書くと、「髪切」です。
カミキリムシのアゴは噛む力が強く、髪を切ってしまうということから、髪切虫と名付けられました。
アゴの力が強い昆虫というと、クワガタムシを連想するかもしれません。実はカミキリムシの方がアゴの力が強いと言われています。
中国名は天牛(てんぎゅう)といい、カミキリムシの長い触覚を牛の角に見立てたのが由来です。
日本のカミキリムシの種類
日本には800種類のカミキリムシがいると言われています。
これから日本にいるカミキリムシのごく一部を紹介します。
ゴマダラカミキリ
カミキリムシの中では最もよく知られていて、カミキリムシというとゴマダラカミキリを連想する人が多いです。
黒色をベースに白い斑点が特徴のカミキリムシで、体長が25〜35mmとカミキリムシの中では中型です。成虫はイチジクや柑橘類、クワ、ヤナギ類の樹皮を餌にしています。
生息地の範囲が広く、北海道・本州・四国・九州・琉球のほか、朝鮮半島、中国、台湾、マレーシアにも生息しています。
クワカミキリ
クワカミキリは32~45mmと、カミキリムシの中では大型の種類です。体の色自体は黒いのですが、灰黄色の細かい毛におおわれているため、黄土色に見えるのが特徴です。
名前に「クワ」が付く通り、イチジクやクワの枝を食べています。
分布は幅広く、北海道,本州,飛島,粟島,猿島,伊豆諸島(大島,式根島,新島,三宅島),淡路島,宮島,飛島,粟島,佐渡島,隠岐,四国,小豆島,沖ノ島,九州,対馬,五島列島(中通島)天草諸島,下甑島,屋久島,喜界島,奄美大島に生息しています。
シロスジカミキリ
シロスジカミキリは日本最大のカミキリムシです。シロスジカミキリの体長は40〜60mmほどと言われています。
中型のゴマダラカミキリの体長が25〜35mmなのを踏まえると、シロスジカミキリはかなり大きいです。
シロスジカミキリという名前ですが、黒の体に黄色い模様をしています。死んだ後に黄色い模様が白く変わるから、シロスジカミキリとつけられた説があります。
生息地は北海道や沖縄を除いた日本本土や、朝鮮、中国、インドネシアです。
ミヤマカミキリ
ミヤマカミキリは黄土色の体が特徴です。
夜行性でクヌギやコナラの樹液を餌にしているため、カブトムシを採りに来たときに見かける機会が多いです。体長32〜57mmとカミキリムシの中では大型です。
生息地は幅広く、本州から沖縄に生息しています。
ルリボシカミキリ
ルリボシカミキリは青い体に黒い模様が美しく、コレクターから大変人気が高いカミキリムシです。他のカミキリムシと比べて、見かける機会は少ないです。
体長は16~32mmと、カミキリムシの中では中型とされています。
北海道、本州、四国、九州に生息しています。
死んでしまうとくすんだような色に変わるので、生きているときでないと本来の美しい色を楽しめません。
世界のカミキリムシの種類
世界には約30,000種のカミキリムシがいると言われています。
この記事では3種類のカミキリムシを紹介します。
クビアカツヤカミキリ
クビアカツヤカミキリはもともと、中国,モンゴル,朝鮮半島,台湾,ベトナムに生息していましたが2012年頃に日本に侵入したといわれています。
成虫はサクラやウメ、モモなどの樹皮を餌にしています。
体全体は光沢のある黒色をしていて、胸部は真っ赤なのが特徴です。体長22-38mmとカミキリムシの中ではやや大きめの中型に分類されます。
タイタンオオウスバカミキリ
タイタンオオウスバカミキリはアマゾンの森に生息しています。世界最大のカミキリムシで、体長は150mmを超えると言われています。
日本最大のシロスジカミキリの約2倍以上の大きさです。
あごの力はかなり強く、直径5㎜ほどの枝をかみ切るほどです。体の色は赤みがかった黒色をしています。
ツヤハダゴマダラカミキリ
ツヤハダゴマダラカミキリはもともと、中国〜朝鮮半島に生息していました。
体の色は黒色をベースに白い斑点模様があります。また、体長は20〜35mmです。これらの特徴も元々いるゴマダラカミキリによく似ています。
主な違いは下記の3点です。
- 胸部に2つの白紋の有無。
ゴマダラカミキリは胸部に2つの白紋がありますが、ツヤハダゴマダラカミキリにはありません。
- 上翅(じょうし)基部の表面。
ゴマダラカミキリは上翅基部の表面に突起がありボツボツしていますが、ツヤハダゴマダラカミキリは滑らかです。
- 小楯板(しょうじゅんばん)と呼ばれる羽の合わせ目の三角の部分。
ゴマダラカミキリは小楯板(羽の合わせ目の三角の部分)に白い軟毛がありますが、ツヤハダゴマダラカミキリにはありません。
カミキリムシの体の大きさ
カミキリムシは種類によって、体の大きさが大きく異なります。
体長10mm未満の小型種から、体長40mmを超える大型種までいます。
ここからは体の大きさに着目して、カミキリムシを紹介します。
体が大きいカミキリムシの種類
体長40mm超の大きなカミキリムシに絞って、一部紹介します。
- シロスジカミキリ
- ヒゲナガカミキリ
- タイタンオオウスバカミキリ
- キマダラミヤマカミキリ
- ノコギリカミキリ
- クワカミキリ
- ウスバカミキリ
体が小さいカミキリムシの種類
体長10mm未満の小さなカミキリムシを一部紹介します。
- ヒシカミキリ
- キクスイカミキリ
- キバネニセハムシハナカミキリ
- ニイジマチビカミキリ
- チャボハナカミキリ
- タカオメダカカミキリ
- セスジヒメハナカミキリ
- カッコウカミキリ
- ガロアケシカミキリ
- キッコウモンケシカミキリ
- キバネニセハムシハナカミキリ
- クモガタケシカミキリ
- ヒシカミキリ
- ニイジマチビカミキリ
- チャイロヒメハナカミキリ
- セスジヒメハナカミキリ
- ジュウジクロカミキリ
- チャボハナカミキリ
- クモガタケシカミキリ
- コジマヒゲナガコバネカミキリ
- コボトケヒゲナガコバネカミキリ
- セミスジコブヒゲカミキリ
- タカオメダカカミキリ
「さまざまな色」のカミキリムシの種類
カミキリムシの体の色のバリエーションは豊富です。
黒、茶色のような地味めな色のカミキリムシだけでなく、赤色、黄色、緑色、青・水色のように鮮やかなカミキリムシもいます。
ここから各色のカミキリムシの名前を列挙します。
黒色・黒白色のカミキリムシの種類
- ジュウジクロカミキリ
- クロカミキリ
- ジュウジクロカミキリ
- セミスジコブヒゲカミキリ
- コジマヒゲナガコバネカミキリ
- タカオメダカカミキリ
- シラケトラカミキリ
- ゴマダラカミキリ
- シロオビゴマフカミキリ
- ネジロカミキリ
- ヒゲジロハナカミキリ
- ヒシカミキリ
- チビハナカミキリ
- チャボハナカミキリ
- ヒメヒゲナガカミキリ
- ビャクシンカミキリ
- ホソカミキリ
- トゲヒゲトラカミキリ
- ホソトラカミキリ
茶色のカミキリムシの種類
- キマダラミヤマカミキリ
- ナガゴマフカミキリ
- ウスバカミキリ
- ノコギリカミキリ
- マツノマダラカミキリ
- アカネトラカミキリ
- アトモンサビカミキリ
- アトモンマルケシカミキリ
- アメイロカミキリ
- イタヤカミキリ
- エゾサビカミキリ
- エゾナガヒゲカミキリ
- オオマルクビヒラタカミキリ
- オキナワヨスジ
- シラホシサビカミキリ
- オニヒゲナガコバネカミキリ
- カタシロゴマフカミキリ
- カッコウカミキリ
- カラカネハナカミキリ
- ガロアケシカミキリ
- キッコウモンケシカミキリ
- キバネニセハムシハナカミキリ
- キマダラミヤマカミキリ
- クモガタケシカミキリ
- クモノスモンサビカミキリ
- ニセシラホシカミキリ
- クワカミキリ
赤色のカミキリムシの種類
- ベニカミキリ
- アカイロニセハムシハナカミキリ
- アカハナカミキリ
- イガブチヒゲハナカミキリ
- クスベニカミキリ
- ヒラヤマコブハナカミキリ
- ツヤケシハナカミキリ
- ヒメスギカミキリ
- ヒラヤマコブハナカミキリ
黄色のカミキリムシの種類
- オオトラカミキリ
- オニグルミノキモンカミキリ
- キイロトラカミキリ
- キンケトラカミキリ
- トラフカミキリ
- ヘリグロリンゴカミキリ
- ヨツスジハナカミキリ
緑色のカミキリムシの種類
- アオカミキリ
- アオスジカミキリ
- アカアシオオアオカミキリ
- オオアオカミキリ
- ミドリカミキリ
- ヤツメカミキリ
青・水色のカミキリムシの種類
- ルリボシカミキリ
- ラミーカミキリ
- ルリカミキリ
- フタコブルリハナカミキリ
- ホタルカミキリ
- ハンノアオカミキリ
この記事ではカミキリムシの名前の由来のほかに、生息地・体の大きさ・体の色に着目してカミキリムシの紹介をいたしました。
カミキリムシの種類によって体の大きさも幅広く、色のバリエーションも豊富なのが分かりました。
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