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ユリの種類。原種ユリの種類、ユリの切花の種類、ユリの種類・色ごとの花言葉、種類別ユリを送る時の注意点などユリの「種類」に関するトリビア

ユリは、ユリ科の球根植物で、開花期は5~8月の夏の花です。
花屋さんで定番の花ですが、日本の野山にも多く自生しています。
また、ガーデニングにおいても育てやすい花と言われています。

ところで、ユリにはどのくらい種類があるか知っていますか?

ユリの中で知名度が高い「カサブランカ」は、オランダから日本に上陸し、一大ブームを起こしました。このカサブランカのルーツは、実は日本のユリなのです。

また、ユリはプレゼントでも人気の花です。
でも、いくつか注意点があることを知っていますか?

この記事では、「ユリの種類」にスポットを当てて、明日話せるトリビアを交えながらお話しします。

目次

日本の原種ユリの種類

原種ユリとは、品種改良以前の元の植物のことです。
「野生ユリ」と言い換えるとわかりやすいかもしれません。
日本の原種ユリは、15種類あると言われています。
本記事では、その中から7種類を紹介させていただきます。

テッポウユリ

テッポウユリは、日本の固有種です。
固有種とは、特定の地域や国にのみ自生する種類のことです。
暖かい気候を好み、九州から沖縄にかけて分布しています。
見た目の特徴は、花が鉄砲やラッパのような形をしていて横向きに咲くことです。
他のお花と交雑しやすいため、テッポウユリと別の品種をかけ合わせた園芸品種が生み出されています。

ヤマユリ

ヤマユリは、日本の原種ユリのひとつ固有種です。
直径20㎝の大輪の花を咲かすことから、「ユリの王様」と言われます。
見た目の特徴として、花びらに茶色の斑点があります。

ヒメユリ

ヒメユリは、他のユリと比べて小さく、花の形が星形で濃いオレンジ色をしていることが特徴です。
日本に自生するユリですが、近年個体数が激減しているため、絶滅が危惧されています。

エゾスカシユリ

エゾスカシユリは、日本では北海道に分布するユリで、花びらの付け根が細くなっていて隙間が見えるのが特徴です。
北海道に分布することから「エゾ」とついていますが、中国東北部などの国外でも見られるため、固有種ではありません。
花はオレンジ色で黒色の斑点があり、上向きに咲きます。

スカシユリは、花びらの付け根が細くなっていて隙間が見えることから「透かし百合」と呼ばれ名がつきました。
また、日本では中部地方より北の海岸の岩場や崖に咲くことから「ハマユリ」「イワユリ」と呼ぶそうです。
他のユリと異なり、上向きに花が咲くこと、ユリ独特の強い香りがないことが特徴です。

ササユリ

ササユリは、日本の固有種で、日本を代表するユリとして世界に認知されています。
葉が笹に似ていることから「笹百合」と呼ばれます。
色は淡いピンク色で、うつむき加減に咲くことから控えめで清楚な印象があります。

コオニユリ

コオニユリは、日本各地の自然豊かな場所に生育します。
花はオレンジ色で黒の斑点があるのが特徴です。
名前が似ている「オニユリ」と比べて花が小さく、むかご(※)がありません。
※むかごとは、葉の付け根にできる小さな球状の芽のこと。

カノコユリ

カノコユリは、日本の固有種で、四国から九州にかけて分布しています。
白い花に濃いピンク色の斑点があるのが特徴です。
絶滅が危惧されていて、環境省のレッドデータに登録されています。

ユリの切り花の種類

ユリの切り花は、主に5系統に分類されます。

原種系

原種系のユリは、「ササユリ」「ヒメユリ」「ヤマユリ」「テッポウユリ」などが挙げられます。
原種系とは、日本の野山に自生する品種改良を行っていない種類です。
原種系のユリは、この後に紹介するユリよりも流通量が少ないため、なかなか花屋さんで見かけません。見かけたらぜひ手にとってみましょう。

オリエンタルハイブリッド

オリエンタルハイブリッドは、大輪の花を咲かせ、強い香りがあることが特徴です。
代表的な品種には、「カサブランカ」があります。
日本の原種ユリを交配させて誕生した園芸品種です。
豪華な印象がある花で、流通量が多く花屋さんでよく見られる種類です。

アジアティックハイブリッド

アジアティックハイブリッドは、アジア原産のスカシユリ系の原種を元に誕生しました。
スカシユリと同様に、上向きに咲く特徴があります。
色数が多く、切り花でも長持ちすることからフラワーアレンジメントで人気の高い花です。
世界中に知られている品種は「コネチカットキング」で、鮮やかな黄色の花が特徴です。

LAハイブリッド

LAハイブリッドは、ロンギフローラム系(L)とアジアティック系(A)との交配種です。
特徴として、鮮やかな色でトランペット状の形をしています。
代表的な品種は「パーティーダイヤモンド」で、香りがほとんどないためアレンジメントやプレゼントに適しています。

OTハイブリッド

OTハイブリッドは、オリエンタル系(0)とトランペット状(T)に咲くユリを掛け合わせて誕生しました。
オリエンタル系からは優れた形状と香り、トランペット咲きからは様々な色調を受け継いでいます。まさに良いとこどりの種類ですね。
OTハイブリッドは、今まで紹介した種類の中では最も新しいと言われていて、切り花やガーデニング分野での発展が期待されています。

ユリの色の種類と花言葉

ユリの花言葉には、「純粋」「無垢」「威厳」があります。
さらに、ユリは色ごとに花言葉があります。

白色のユリの花言葉は、「純潔」「無垢」「威厳」です。
白色の代表的なユリは、「カサブランカ」です。
純粋で高貴な印象があることから、冠婚葬祭で使用されることが多いです。

ピンク

ピンク色のユリの花言葉には、「上品」「優雅」「富と繁栄」などがあります。
ピンク色の柔らかいイメージから、上記の花言葉がついたと考えられています。
ピンク色の代表的なユリは、「ササユリ」です。

赤色のユリの花言葉は、「虚栄心」「願望」です。
虚栄心とは、自分を実際よりもよく見せようとすること。
これは、キリスト教にまつわる逸話が由来となっています。
また上を向く姿から「願望」の花言葉もあります。
赤色の代表的なユリは、「ブラックアウト」です。
赤い色のユリは素敵ですが、ネガティブな花言葉があるので、贈る際はポジティブなメッセージを添えるとよいと言われています。

オレンジ

オレンジ色のユリの花言葉は、「華麗」「愉快」です。
オレンジ色はビタミンカラーと呼ばれ、元気を与えてくれる色であり、飾ると空間がぱっと明るくなります。
代表的なユリは、「オニユリ」です。

黄色のユリの花言葉には、「陽気」「気取らぬ美」とポジティブな花言葉がある一方で、「偽り」「不安」といったネガティブな花言葉もあります。
ヨーロッパでは、黄色は「不誠実」や「嫉妬」の象徴とされていて、花言葉にも反映されたと考えられています。
ただし、明るい黄色は元気でナチュラルな印象があり、日常にも溶け込みやすい色です。
プレゼントする際は、ポジティブなメッセージを添えて心遣いを示しましょう。
黄色の代表的なユリは、「イエローウィン」です。

黒色のユリの花言葉は、「呪い」「復讐」です。
非常にネガティブな花言葉であるため、プレゼントは避けた方が無難だと言われています。
でも、黒色のユリはシックでかっこいい印象があります。
プレゼントは避け、自分で部屋に飾って楽しむなどしましょう。
黒色の代表的なユリは、「黒百合」です。

【マナー】ユリを贈る際の注意点

ユリは人気が高い花ですが、贈る際はいくつか注意点があります。

色の種類や本数、贈るシーンに気をつける

先述したとおり、ユリは色の種類によって花言葉が異なります。
ネガティブな花言葉をもつ色もありますのでその際は、
・他の色の花を混ぜる
・ポジティブなメッセージを添える
などして気遣いを示すことが大切です。

また、本数にも注意が必要です。
例えば白色のユリを1本贈ることは「死者の弔い」を意味するため、避けた方がよいでしょう。
ユリを贈るシーンでは、以下のことを念頭におきましょう。
・ユリはお見舞いに不向きな花であること
・香りが強く毒性があること
ユリの花は、下向きに咲いて花が落ちる様子が「死」を連想させ、縁起が悪いと考えられています。そのため、お見舞いには避けた方がよいと言われています。。
また、ユリの種類によっては香りが強く、毒性があります。猫や犬などのペットがいる家庭に贈る際はこの点も配慮する必要があります。

ユリの毒は要注意

ユリの毒は、花や葉、茎などユリ全体にあると言われています。
この毒は人間には有毒ではありませんが、犬や猫などのペット、特に猫に対して非常に猛毒になるそうです。ユリ中毒を発症すると、急性腎不全に陥ってしまいます。
ペットを守るために、
・ユリを飾った場所に近づけない
・できるだけ室内に持ち込まない
ことが重要です。

花粉の処理しておく

ユリの花粉は粘着性があるため、服につくと厄介です。また、ユリの花粉は花粉症の人には辛く感じることがあります。
プレゼントする際やユリを飾る際は、花粉の処理をしましょう。
花粉の処理の仕方は簡単で、花が開いておしべ(花粉)が見えてきたら指でつまんで取り除くだけです。
花粉の処理をしておくと、安心してユリ本来の美しさを感じられるでしょう。

ガーデニングに向いているユリの種類

育てやすいユリの種類

・カサブランカ
・スターゲイザー
・テッポウユリ
・スカシユリ
上記4つのユリの種類は、丈夫であったり、香りがないものもあり、ガーデニング初心者でも比較的育てやすいと言われています。

植える時期

植える時期は、10~11月が適しています。
ユリは、基本的には日当たりが良く、風通しの良い場所を好みます。

水やり

水やりの仕方は、「鉢植え」と「地植え」で異なります。
・植木鉢やプランターで育てる「鉢植え」の場合:土の表面が乾いていたら鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水をやる
・庭などに植える「地植え」の場合:植え付けた直後はたっぷりと水をやり、その後は雨に任せる。ただし日照りが続いた場合は水やりをする
いずれにしても、土の様子や天候を気にして水やりをすることが大切です。

花が咲いた後

翌年もユリを咲かせるためには、球根を大きくすることがポイントです。
そのために、花が咲いた後の処理(=花がら摘み)をしっかりとしておきましょう。
花がら摘みのやり方は簡単です。花がしぼみ始め自然に花が落ちる前に、花首のところを折るだけ。こうすることで、種や害虫が付かずに、球根を太らせることができます。

特徴別5選!様々なユリの種類

ここでは特徴がある様々なユリの種類を紹介します。

代表的なユリ

代表的なユリは、やはり「カサブランカ」です。
ユリと聞いて思い浮かべる人も多いはず。
純白の大輪の花を咲かせる姿から「ユリの女王」と呼ばれます。

小さいユリ

小さいユリの種類に「プチソレイユ」と呼ばれるユリがあります。
「プチソレイユ」は山口県で栽培されているユリで、花の大きさが10㎝程度で通常のユリと比べて小柄。色は鮮やかなオレンジ色です。
従来のユリにはない大きさで、アレンジメントしやすいと注目されています。

食べられるユリ

ユリの球根にあたる「ユリ根」、実は食べられると知っていましたか?
食用のユリ根は、「オニユリ」「コオニユリ」「ヤマユリ」などの種類があります。
ユリには毒があると先述しましたが、市販されている食用のユリは安心して食べられます。
ユリ根はホクホクとした食感で、ホイル焼きや素揚げ、炒めて味付けするなどシンプルな調理で美味しく食べられます。
食べ頃は12~2月なので、おせち料理で楽しむ人もいるそうです。

香りが強いユリ

香りが強いユリの種類は、「ヤマユリ」「カサブランカ」が挙げられます。
ユリの香りにはリラックス効果がある一方、強すぎる香りで体調を崩す人もいます。
先述しましたが、プレゼントする際は配慮が必要ですね。

危険なユリ

最後に危険なユリをご紹介。
近年日本で増えている「タカサゴユリ」を知っていますか?
見た目は「テッポウユリ」によく似ているユリですが、繁殖力がとても強く野生化しているそうです。
「タカサゴユリ」は元々は外来種であり、日本の原種ユリの生息地を侵略することから、国立環境研究所の「侵入生物データベース」に登録されている危険なユリです。
ひょっとすると庭や空き地、道端で見かけたことがある人もいるかもしれません。
花自体は綺麗なのでそのままにされている場合もありますが、除去活動を行う地域もあるそうです。

最後に・・・

最後までお読みいただきありがとうございます。
ユリは日本がルーツになっている種類が多く、日本人からも世界中からも愛されている植物です。
ユリの種類やマナーに関する知識などは、今後の日常生活にきっと役に立つはずです。
ユリを見た際は「この種類は何かな?」とぜひ考えてみてください。きっと何気なく過ごしていた日常が新鮮なものに感じると思います。

知識は生活を彩ってくれます。
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