MENU

【ツツジの種類】 ツツジは紫の花だけではない! 明日話せる種類のトリビア

4月中旬から5月にかけて開花するツツジ。ツツジといえば、道路や公園に咲いている紫の花のイメージがあるかもしれません。

実はツツジにはさまざまな色があり、中にはフリルのようにふわふわした形の花の種類もあるのです。なんと、その数4,000種類あると言われています。

今回の記事はツツジの種類に着目し、一部のツツジについて説明したあと、トリビアを交えながらお話します。

目次

常緑樹のツヅジの種類

数多くある常緑樹のツツジの中から、6種類を紹介します。

ヤマツツジ

山に自生しているツツジの代表種で、北海道南部、本州、四国、九州と幅広い地域で咲いています。

ヤマツツジは常緑樹ですが、寒冷地に生息するヤマツツジは気温が低くなると葉を落とします。

開花時期は5~6月です。

鮮やかな赤色をした花が特徴です。

キリシマツツジ

園芸品種のツツジで、小ぶりな花をたくさん咲かせるのが特徴です。

江戸時代初期に薩摩から出て、品種改良されたツツジと言われています。

公園や、庭で見かける機会が多い品種です。

開花時期は4月中旬~5月中旬です。

花の色は深紅色が基本ですが、赤色、朱色、紅紫色、白色などさまざまな色があります。

ヒラドツツジ

私達が道路や公園に咲いている紫のツツジはオオムラサキツツジといって、ヒラドツツジの1種です。

一般的にツツジは寒さと暑さの両方に強いのですが、ヒラドツツジは寒さにやや弱い性質を持っています。4~5月に開花します。

赤、白、紫、ピンクなど、花の色も豊富です。中には白とピンクなどの2色の花も存在します。

クルメツツジ

江戸時代にキリシマツツジなどのツツジをもとに九州の久留米藩によって品種改良された園芸品種のツツジです。

小さな花を枝先に着け、一斉に咲くため花が咲いているときは木全体が花に覆われます。

庭や公園に植えられることが多く、4~5月に花を咲かせます。

ピンク色や赤色の花が特徴です。

リュウキュウツツジ

リュウキュウツツジは中国からの渡来品という説がありましたが、現在ではキシツツジとモチツツジの交雑種とする説が強いです。

リュウキュウツツジという名前から、沖縄のイメージが強く、寒さに弱そうと思いきや耐寒性が高く、北海道でも南部であれば育ちます。花期は4~5月。

白や淡いピンクの花を咲かせるツツジです。

モチツツジ 

伊豆半島以西の本州及び四国に生息しているツツジで、別名:イワツツジ、ネバツツジとも呼ばれています。

葉や茎がねばねばしていて、触ると指がはりつくことから餅になぞらえてモチツツジと命名されました。

ヒラドツツジなどの園芸品種の母種にもなっています。

4~5月に赤やピンク、赤紫の花を咲かせます。

落葉樹のツヅジの種類

数多くある落葉樹のツツジの中から、4種類を紹介します。

レンゲツツジ

花数が大きく、ツボミが大きいのが特徴です。

北海道・本州・四国・九州に分布し、高原、湿原など冷涼で日当たりの良い場所に生息しています。

一般的なツツジと比べて開花時期は遅く、5~6月にかけて開花します。

鮮やかなオレンジ色、もしくは赤色が一般的ですが、黄色のレンゲツツジも存在します。

ミツバツツジ

太平洋側の丘陵や低山に自生しています。

開花時期は地域によって異なりますが、3~5月といわれており、ツツジ科の植物の中では早い方です。

ミツバツツジの花は紫色で、漏斗(ろうと)型で先端が5つに分かれたような形が特徴です。

ゴヨウツツジ

別名:シロヤシオとも呼ばれています。5枚の葉が車輪状に生えていることから、五葉(ゴヨウ)ツツジと呼ばれるようになりました。

岩手県以南の主に太平洋側や四国に自生しているほか、公園でも育てられています。

山地の岩場や林内に生息しています。

4月下旬~6月にかけて白い花を咲かせます。

オンツツジ

 近畿地方南部、四国及び九州、韓国の済州島に生息しているツツジです。

開花は4~6月でヤマツツジに似た赤い花を咲かせます。

ヤマツツジとの違いは主におしべの数です。オンツツジのおしべの数が10本なのに対し、ヤマツツジのおしべの数は5本です。他には生息範囲も異なります。

環境や個体によっては、ピンクに近い色の花、紫を帯びた色味の花も存在します。

道路脇・公園で咲くツツジの種類

道路脇や公園にツツジの花が多く咲いているのは以下の理由です。

  • 美しい花による景観維持
  • ツツジは強いため、車の排気ガスや道路のアスファルトの高温などにも耐え、さほど管理の手間もない
  • シックハウス症候群の原因となる有害物質ホルムアルデヒドの除去による空気の浄化

道路脇・公園で咲くツツジの種類は数多くありますが、この記事では5種類とりあげます。

  • オオムラサキツツジ
  • ヒラドツツジ
  • リュウキュウツツジ
  • クルメツツジ
  • キリシマツツジ

山で咲くツツジの種類

園芸品種のツツジの大元になった花は山で咲くツツジです。

山で咲くツツジは以下の条件をすべて満たした環境を好みます。

  • 日当たりの良い環境
  • 山の土が酸性土壌
  • 水はけが良い

山で咲くツツジの種類は数多くありますが、この記事では5種類とりあげます。

  • ヤマツツジ
  • レンゲツツジ
  • ヤシオツツジ
  • ミツバツツジ
  • ヒカゲツツジ

ツヅジの色の種類

ツツジの色は大きく分けて、10種類あります。

紫、ピンク、赤系統の色が多い傾向です。

ツツジの色が豊富な理由も1つに突然変異が考えられます。

白いツツジが多く咲いている木にピンクのツツジの花と、一部がピンクになっているツツジの花が咲いていたという事例がありました。

実はこの白いツツジ自体が、元々白い花だったわけではありませんでした。

トランスポゾンと呼ばれる動く遺伝子が色素合成系遺伝子が機能しないように働きかけて、花が白くなっていました。トランスポゾンが抜けた為に色素合成系遺伝子機能が復活して、本来のピンクになりました。

ほかにも交配のもとになる野生種だけでもツツジの色の種類が多く、7種類あるのも関係しています。

  • ヒラドツツジ
  • ミツバツツジなど

赤紫 

  • モチツツジなど

深紅色

  • キリシマツツジなど

淡いピンク

  • ヒラドツツジ
  • モチツツジなど

濃いピンク

  • クルメツツジなど

  • ヤマツツジ
  • モチツツジ
  • クルメツツジ
  • ヒラドツツジ
  • オンツツジなど

オレンジ

  • レンゲツツジなど

黄色 

  • レンゲツツジ
  • ヒカゲツツジなど

  • ヒラドツツジ
  • リュウキュウツツジ
  • キリシマツツジ
  • ゴヨウツツジなど

複色(2色以上)

  • ヒラドツツジ(ピンクと白)など

ツヅジの仲間の種類

ツツジの仲間にはサツキ、シャクナゲ、アザレアがあります。これら3種類をそれぞれ紹介します。

サツキ

サツキは正式にはサツキツツジと言って、ツツジの1種です。しかし、サツキとツツジが別物扱いされているケースは少なくありません。

ツツジとの違いは大きく分けて3つあります。1つめは咲く時期です。ツツジが4~5月に咲くのに対して、サツキは5月下旬から6月にかけ咲きます。

2つ目は葉のさわり心地です。ツツジの葉が柔らかくふわふわしているのに対し、サツキの葉は硬めです。

3つ目は花と葉の大きさで、花と葉のどちらもツツジの方が大きいです。

シャクナゲ

花が大きく、豪華なことから「花木の女王」の異名を持ちます。 自生しているシャクナゲは高地、冷涼地で自生していることから暑さに弱い性質を持っています。

一方、欧米での品種改良により、家庭でも育てやすい西洋シャクナゲが誕生しました。

ツツジと比べて、大きく華やかな印象を与えます。

アザレア

アザレアは19世紀に台湾などのツツジがベルギーなどのヨーロッパに伝わり、鉢植え用に品種改良され、その後日本に輸入されたツツジです。

通常のツツジが一重咲きであることが多いのに対して、アザレアは八重咲きが多いです。

ツヅジを育てるのに向いている肥料の種類

ツツジを育てるのに適した肥料の種類は大きく分けて4種類あります。

サツキ・ツヅジ専用の肥料

サツキ・ツツジ専用の肥料はサツキ・ツツジ以外のツツジ属の植物にも適しているため、シャクナゲ、アザレアにも使えます。

油かす

菜種や大豆などのアブラナ科の植物の種から油を抽出したあとに残ったカスで、窒素・リン酸・カリウムを含んでいます。

緩効性肥料

緩効性肥料(かんこうせいひりょう)とは、成分が溶けだすスピードが緩やかで効果がゆっくりとあらわれる肥料です。

有機肥料 

有機肥料は大きく分けて、2種類あります。

骨粉(こっぷん)という牛、豚、鶏などの動物から作られる肥料と、魚粉(ぎょふん)と呼ばれる、魚を乾燥して砕いた肥料です。

ツヅジの種類によっては毒がある

実はシャクナゲだけでなく、ツツジの種類によっては毒があるのはご存知でしたか?

レンゲツツジが毒を持っている

鮮やかな赤やオレンジ、黄色の花が美しいレンゲツツジには花、葉、根に毒が含まれています。

ツヅジの蜜を吸わない方が良い

専門家によると、実はツツジの蜜を吸わない方が良いとのことです。

理由はツツジ科の植物は毒を含むことが多く、毒のない種類もあるとはいえ、専門家でないと区別が難しいためです。

毒の種類

ツツジ科の植物に含まれる毒は、有毒成分グラヤノトキシン(ロドトキシン)類です。

以下の中毒症状を引き起こします。

  • 嘔吐
  • 下痢
  • 血圧低下
  • めまい
  • けいれん

ツツジ科の植物による中毒症状事例

日本国内ではツツジ科の植物による中毒症状事例が2回発生しています。

  •  2008年5月 北海道の一般家庭で知人から譲り受けたハクサンシャクナゲの葉を乾燥させて、自宅で煎じて冷却した煎液を500ml摂取。ショック症状が出て入院。
  •  2015年5月 レンゲツツジの生花にドレッシングをかけて口にした人が、1時間後に視覚異常、おう吐の症状が出て入院。

ツヅジの漢字表記、「躑躅」の由来

躑躅は「てきちょく」とも読み、足踏みすることの意味があります。

元々羊躑躅という漢字だったそうで、羊が躑躅を食べて、足踏みをしながら死んでしまったことからつけられた説があります。

【参考】

厚生労働省「自然毒のリスクプロファイル

今回はツツジの種類に関するトリビアをお話ししました。みなさんが思った以上に色のバリエーションやツツジの種類があったのではないでしょうか。

八重咲きなどさまざまな咲き方をする種類もあります。

また、毒性があるツツジが存在するのは意外かもしれません。綺麗な花には棘があるならぬ、綺麗な花には毒があるという言葉がしっくりきますね。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次