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【どんぐりの種類】日本のどんぐりは◯◯種類。世界には〇〇種類。どんぐりの見分け方など明日から話せるトリビア

子供時代に山付近でどんぐりを拾って遊んだ記憶はありませんか? どんぐりはブナ科の木の「果実」で、日本にある種類だけでも22種類あります。

今回は日本のどんぐりの種類、海外のどんぐりの種類のほかに、どんぐりの種類の見分け方、食べられるどんぐりの種類などを解説します。

童心に帰ったつもりでぜひ読んでみてくださいね。

目次

どんぐりはブナ科植物の「果実」

どんぐりはブナ科植物の「果実」にあたる部分の総称を指します。どんぐりの特徴は硬い皮に実が覆われていて、皮とは別に殻がついていることです。

硬い皮に覆われている果実を「堅果(けんか)」と呼びます。

また、どんぐりの皮とは別に「殻斗(かくと)」と呼ばれる殻状のものがあります。殻斗とはどんぐりを保護をするために花の近くにある葉っぱが集まり、変形したものです。

はじめは殻斗が堅果全体を覆っていますが、果実の成長に伴い、殻斗が顔を見せるようになります。

どんぐの種類により、殻斗の特徴が異なります。

帽子のような形の殻斗もあれば、どんぐりのお尻側を覆うような形の殻斗もあれば、さまざまです。

日本にある「どんぐり」は22種類あり、5つの分類に分けられる

日本にあるどんぐりは全部で22種類あり、5つの分類に分けられています。

  • コナラ属(コナラ亜属)
  • コナラ属(アカガシ亜属)
  • マテバシイ属
  • ブナ属
  • シイノキ属
  • クリ属

ここからは分類ごとに各種類のどんぐりの特徴を紹介します。

コナラ属(コナラ亜属)の「どんぐり」

コナラ属(コナラ亜属)に属するどんぐりは7種類あります。

コナラ

コナラはどんぐりの中ではかなりポピュラーな種類で、野山でよく見かける樹木です。

うろこ状の浅いお椀の形をした殻斗(かくと)が特徴です。

コナラの堅果(けんか)は細長い形をしています。

カシワ

カシワの殻斗の形はイソギンチャクのように広がっています。

堅果は砲弾型をしていて、堅果についているめしべの先端部と、将来果実になる子房(しぼう)をつなぐ部分である花柱(かちゅう)が長いのが特徴です。

ナラガシワ

ナラガシワの堅果は大きな太鼓を思わせる形をしています。

堅果のてっぺんの部分が白い毛で覆われているのが特徴です。

名前にナラ「ガシワ」とありますが、殻斗の形はカシワと全然似ていません。

ミズナラ

ミズナラは冷涼な地域を好み、標高の高い地域で見られる傾向があります。

うろこ状の堅果は縦長で、大きくこげ茶色をした堅果が特徴です。

どんぐりのなかでも、いち早く根を出す種と言われています。

クヌギ

丘陵地や山地に多く自生していて、大きくて丸い形をしています。

堅果全体を覆うようなイガイガの殻斗が特徴です。

見た目がアベマキとかなり似ていますが、葉の裏の色で見分けられます。

クヌギの葉は緑色で、アベマキは少し白っぽい色をしているのが見分けるポイントです。

アベマキ

アベマキの堅果は大きく、丸い形をしています。

堅果も殻斗のどちらもクヌギとかなり似ているため、見た目だけでは区別が難しいです。

葉以外にも木の幹も見分けるポイントとなります。

アベマキの幹はやや明るい灰色で、割れ目が不規則に入るのに対し、クヌギの幹はアベマキの幹よりも暗い灰褐色で、盾に割れ目が入ります。

ウバメガシ

西日本に多く自生しているどんぐりで、細長い形をしています。

堅果が細長く、うろこ状の殻斗という点ではコナラと共通点がありますが、ウバメガシの殻斗はとんがり帽子を逆さにしたような形をしている違いがあります。

コナラ属(アカガシ亜属)の「どんぐり」

コナラ属(コナラ亜属)に属するどんぐりは8種類あります。

アカガシ

横島模様があり、ビロード状の毛で覆われた殻斗(かくと)が特徴です。

堅果(けんか)の形は個体によっては長いものもあれば、丸みを帯びたものもあります。おまけに

シラカシやツクバネガシに似ているので、どんぐり自体で見分けるのは困難です。

これらのどんぐりと見分けるには葉に着目します。アカガシの葉は葉にギザギザがなく、かつ葉の軸の部分である葉脈がとても長いためです。

ツクバネガシ

輪層状(横島)の模様が殻斗にあり、ビロード状の毛でおおわれています。

形はアカガシと比べて細長い傾向があります。

アカガシにとてもよく似ていますが、一番の違いは堅果に縦の縞模様が有るか無いかです。

ツクバネガシの堅果には縦の縞模様が有ります。

アラカシ

西日本でよく見かけるどんぐりの1種です。

堅果は一般的には樽のような形状をしていて、白い縦じま模様をしています。

どんぐりの中では実りが遅いのが特徴です。一般的などんぐりが月下旬から10月にかけて実を落とすのに対し、アラカシの場合、1~2月になっても実を落とさない個体もあります。

シラカシ

シラカシの堅果は樽状の形をしていて、アラカシやアカガシとよく似ています。

殻斗の横縞がはっきりとしているほか、シラカシの殻斗は堅果を深く覆っているのが特徴です。

ウラジロガシ

堅果の形は楕円形状でラグビーボールのような形が一般的ですが、個体によっては球状の物もあります。ウラジロガシの殻斗は小さく、浅い円錐型です。

ウラジロガシの名前の由来は葉の裏が白いことからきています。

オキナワウラジロガシ

奄美大島以南の島々や沖縄本島に自生するものの、その本島でもなかなか見つかりません。

名前にオキナワ「ウラジロガシ」とありますが、本州に分布するウラジロガシの堅果とは大きさも形も全く異なり、大きくてまん丸なのが特徴です。殻斗は横縞模様をしています。

ハナガガシ

ハナガガシの殻斗はお椀型の殻斗をしています。堅果には横縞模様があり、樽型の形が特徴です。

高知県、愛媛県や九州中南部といった温暖な地域のみに生息する珍しいどんぐりです。

その数の少なさから、環境省レッドデータブックの絶滅危惧種に指定されています。

イチイガシ

イチイガシの横縞模様の殻斗をしていて、楕円形をした堅果の半分近くを覆います。

堅果にははっきりとした縦縞模様が入っていて、先端部分に白い粉上のような毛が生えています。

マテバシイ属の「どんぐり」

マテバシイ属に属するどんぐりは2種類あります。

マテバシイ

マテバシイは全国で見られるどんぐりの1種で、殻斗(かくと)が白いろう状のもので覆われているのが特徴です。

殻斗がうろこ状で、堅果(けんか)は細長い形をしていている点でコナラと共通点がありますが、どんぐりのおしりの部分で見分けられます。マテバシイはへこんでいるのに対し、コナラは平らです。

シリブカガシ

殻斗の表面が白いロウ状の物質に覆われているのが特徴です。堅果は楕円形をしています。

生息範囲がやや狭く、近畿以西~沖縄に限られています。

シリブカガシの名前の由来は堅果の底(尻)の部分が少しへこんでいることからです。

ブナ属の「どんぐり」

ブナ属に属するどんぐりは2種類あります。

ブナ

高山に自生していて、紀伊半島では標高1000m付近から見られます。三角錐形状の堅果(けんか)がイソギンチャク状の殻斗に覆われているのが特徴です。落下すると殻斗(かくと)が4つに分裂します。

イヌブナ

イヌブナの堅果は三角錐形状で、鱗片状の短い殻斗が特徴です。形自体はブナと似ているものの、ブナの堅果の3分の2ほどの大きさで、殻斗の葉柄が細いため、判別は容易です。

ブナよりやや標高の低い場所に自生しています。

シイノキ属の「どんぐり」

シイノキ属に属するどんぐりは2種類あります。

スダジイ

スダジイは堅果(けんか)全体を殻斗(かくと)が包んでいるのが特徴です。

落下時期になると、殻斗が3つに分裂します。

堅果の形は三角錐型が一般的ですが、個体によっては球体の物も存在します。

また、椎の実と呼ばれる果実の1種です。

ツブラジイ

ツブラジイの堅果は名前の通り、小さくて丸い形をしています。

そのため、「コジイ」とも呼ばれることもあります。

熟すると堅果全体を包み込んでいる殻斗が3,4つにさけるのも特徴です。

スダジイ同様に椎の実と呼ばれる果実の1種です。

クリ属の「どんぐり」

クリ属に属するどんぐりは1種類のみで、秋の味覚として知られているクリも実はどんぐりの仲間です。

クリを覆っているイガイガが殻斗(かくと)です。

野生種のクリは「ヤマグリ」や「シバグリ」と呼ばれ、小粒で甘みがあります。

販売されているクリは野生種ではなく、実は改良された園芸種です。

「どんぐりの種類」別、生息している地方

一般的にどんぐりが好む生育環境は下記の2点を満たしているのが条件です。

  • 水はけが良い土
  • 日当たりの良い場所

どんぐりの分布をもう少し詳しく見てみます。

北海道~九州に分布

  • ブナ
  • クリ
  • コナラ
  • ミズナラ
  • カシワ

本州~九州に分布

  • イヌブナ
  • アベマキ
  • ナラガシワ
  • アカガシ
  • ツクバネガシ
  • シラカシ
  • イチイガシ

本州~沖縄に分布

  • クヌギ
  • ウラジロガシ
  • マテバシイ

福島以西~九州に分布

  • スダジイ

関東以西~九州に分布

  • ツブラジイ

神奈川県以西~沖縄

  • ウバメガシ

本州・四国・九州に分布

  • アラカシ

近畿以西~沖縄に分布

  • シリブカガシ

四国南西部~九州中南部に分布

  • ハナガガシ

奄美大島~沖縄に分布

  • オキナワウラジロガシ

世界の「どんぐり種類」

現在、世界では132種類が確認されています。

各地域のどんぐりの一部を列挙します。

アジアのどんぐりの種類

  • カクミガシ
  • オニガシ
  • トガリバガシ
  • リトカルプス・インドクリガシ
  • クエルクス・ラメロサ
  • クエルクス・ケリー
  • モンゴリナラなど

ヨーロッパやアフリカのどんぐりの種類

  • ヨーロッパブナ
  • トルコオーク
  • タボルガシ
  • コルクガシ
  • セイヨウヒイラギガシ
  • ケルメスオーク
  • クエルクス・ポンティカ
  • ヨーロッパナラ
  • フユナラ
  • ピレネーオーク
  • アルジェリアオーク など

アメリカのどんぐりの種類

  • アメリカブナ
  • コロンボバラヌス・エクセルサ
  • ゴールデンチンカーピン
  • チンカーピングリ
  • タンオーク
  • アカナラ
  • ピンオーク
  • ライブオーク
  • キャニオンライブオーク
  • ディアーオーク
  • ミューラーオーク
  • ホワイトオーク など

どんぐりの種類の見分け方

どんぐりの種類はどうやって見分けると思いますか? どんぐりの形も見分け方の一つですが、似たような形のどんぐりが多く、一般的に形のみで、どんぐりの種類を見分けるのが難しいです。以下の3点で見分ける方が確実です。

  • 殻斗(かくと)
  • どんぐりの葉
  • どんぐりの木の幹

殻斗の模様、形状をチェック

どんぐりを保護している殻斗はどんぐりの種類によって形が異なります。

殻斗の形は大きく分けて、以下の4種類に分類されています。

  • うろこ状の殻斗
  • 包状の殻斗
  • ヒゲ状の殻斗
  • 同心円状の殻斗

【うろこ状の殻斗】

  • コナラ
  • ナラガシワ
  • ミズナラ
  • ウバメガシ
  • マテバシイ
  • シリブカガシ

【包状の殻斗】

  • スダジイ
  • ツブラジイ
  • ブナ
  • イヌブナ
  • クリ

【ヒゲ状の殻斗】

  • カシワ
  • クヌギ
  • アベマキ

【同心円状の殻斗】

  • ウラジロガシ
  • オキナワウラジロガシ
  • アカガシ
  • ツクバネガシ
  • ハナガガシ
  • イチイガシ
  • アラカシ
  • シラカシ

どんぐりの葉

どんぐりの葉の厚みもどんぐりの種類をある程度絞るための情報です。常緑樹の葉は厚みがあり、広葉樹の葉は薄くやわらかいのが特徴です。

他には葉っぱの形、鋸歯(きょし)と呼ばれる葉の縁のギザギザの状態があげられます。

【落葉樹・細長い形・鋸歯が針状に突出】

  • クヌギ
  • アベマキ
  • クリ

【落葉樹・幅広い形・鋸歯が深くて大きい】

  • カシワ
  • ナラガシワ
  • ミズナラ
  • コナラ

【落葉樹・幅広い形・鋸歯が波状】

  • ブナ
  • イヌブナ

【常緑樹・長だ円形・鋸歯が浅い】

  • ツクバネガシ
  • ハナガガシ 
  • アラカシ
  • シラカシ

【常緑樹・長だ円形・鋸歯が浅い・裏が白っぽい】

  • ウラジロガシ
  • イチイガシ

【常緑樹・長だ円形・鋸歯が浅いか無い・裏が黄色】

  • スダジイ
  • ツブラジイ

【常緑樹・長だ円形・鋸歯が無い】

  • オキナワウラジロガシ
  • アカガシ
  • マテバシイ
  • シリブカガシ

【常緑樹・だ円形・鋸歯が浅い】

  • ウバメガシ

どんぐりの木の幹

どんぐりの種類によっては外見が異なり、ゴツゴツと深い割れ目が入っていたり、なめらかだったりします。

【深い割れ目】

  • コナラ
  • ナラガシワ
  • カシワ
  • クヌギ
  • ウバメガシ

【深い割れ目・はがれやすい】

  • ミズナラ   

【コルク質】

  • アベマキ    

【縦に深い】

  • クリ      

【大木は割れ目】

  • スダジイ
  • ツブラジイ                    

【皮がはがれやすい】

  • イチイガシ
  • アカガシ
  • ツクバネガシ             

【なめらか】

  • ウラジロガシ
  • オキナワウラジロガシ
  • ハナガガシ
  • アラカシ
  • シラカシマテバシイ
  • シリブカガシ
  • ブナ
  • イヌブナ   

1年成と2年成の種類

どんぐりには花が咲いた年の秋に実を結ぶ1年成と、花が咲いた年の翌年の秋に実を結ぶ2年成があります。

1年成

  • コナラ
  • ナラガシワ
  • ミズナラ
  • カシワ
  • イチイガシ
  • アラカシ
  • シラカシ
  • クリ
  • ブナ
  • イヌブナ

2年成

  • クヌギ
  • アベマキ
  • ウバメガシ
  • ウラジロガシ
  • オキナワウラジロガシ
  • アカガシ
  • ツクバネガシ
  • ハナガガシ
  • マテバシイ
  • シリブカガシ
  • スダジイ
  • ツブラジイ

食べられるどんぐりは6種類

どんぐりの中には食べられる種類があり、食べられるのはクリを含めて22種類中6種類です。

また、どんぐりは縄文時代には主食として食べられていたと考えられます。なぜなら、縄文遺跡の地下の貯蔵庫からは、クリやクルミなどと一緒に蓄えられていたどんぐりが発見されているためです。

コナラ属

クヌギやコナラ。

どちらもタンニンが多く含まれておりアクが多いため、渋みが強く、生食には向いていません。食べるならあく抜き必須です。

ブナ属

ブナの実。脂肪が多く、渋みがないため、生のまま食べられます。

味はクルミに近く、炒ると香ばしくなりさらに食べやすいです。

マテバシイ属

スダジイとマテバシイ。

どちらもアクが少ないため食べやすいですが、渋みがあるので生で食べるのはおすすめはできません。

炒ったり、蒸したりしてから、クッキーやケーキなどの材料にするのがよいでしょう。

【クリ属】

秋の味覚として親しまれているクリ。

クリご飯、クリきんとん、モンブランなどのさまざまなメニューがあります。

山に自生している紫栗(別名ヤマグリ)は一般的な栗よりも実が一回り小さく、甘さが強いのが特徴です。

どんぐりを使った食べ物、飲み物の種類

どんぐりを使った食べ物、飲み物を紹介します。

  • どんぐりご飯
  • どんぐりクッキー
  • どんぐり団子
  • トトリムク(韓国料理の1種でどんぐり粉を使うゼリー)
  • どんぐりコーヒー

今回は日本のどんぐりの種類、海外のどんぐりの名前のほかに、どんぐりの種類の見分け方、食べられるどんぐりの種類などを紹介しました。 

クリがどんぐりの1種であること、どんぐりを使った料理がいくつか存在することなど知らなかった点はありましたか? 日常生活でどんぐりを見る機会があれば、ぜひ観察してみてくださいね。

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