イカは日本の食卓に欠かせない食材であり、釣りや料理、学習目的など幅広い興味を持つ人々に親しまれています。
本記事では、イカの種類や特徴、調理法について詳しく解説します。
イカの種類はどれくらいある?基本を知ろう
イカは何種類いるの?世界と日本のイカ事情
イカは世界で約450種類、日本近海だけでも140種類以上が確認されています。
その中には食用として広く流通しているものから、観賞用や研究対象となる珍しい種類までさまざまです。
イカの世界は奥深い!「見た目」や「役割」で分かれる不思議な分類とは?
一見するとどれも似ているように見えるイカ。しかし実は、「形」や「住む場所」「用途」などによって多種多様に分類されており、それぞれにユニークな特徴があります。今回は、イカの世界を“見た目・生息地・用途”という2つの切り口から掘り下げてご紹介します。
形や住む場所で決まる!イカの多彩なスタイル
イカの種類は、見た目や生息域の違いによって分けられています。
スリムでシャープな「ヤリイカ」
名前の通り、槍のようにスラリとした胴体が特徴。主に日本近海の深海域に生息し、漁期になると市場に多く出回ります。身は透明感があり、甘みが強く、寿司や刺身に人気の高級食材です。
ずんぐり体型の「コウイカ」
胴体がやや丸みを帯び、内部に「甲」と呼ばれる硬い殻を持っているのが特徴。海底近くに生息し、砂の中に隠れるのが得意です。肉厚で甘みが強く、煮物や焼き物でもおいしくいただけます。
神出鬼没の「アオリイカ」
美しい姿と大きなヒレが特徴のアオリイカは、沿岸の岩場やサンゴ礁など、比較的浅い場所に生息。釣り人に大人気のターゲットで、その身の甘みとモチモチ感は「イカの王様」と称されるほど。
こうして見ると、イカは“形の美しさ”と“住みか”によって、驚くほど多様な姿を見せてくれます。
「食べるイカ」と「眺めるイカ」?役割で違うイカたちの魅力
イカはすべてが食用というわけではありません。その役割によっても分類され、実は「観賞用」とされるイカも存在するのです。
食卓の主役、食用イカの種類
日本では「スルメイカ」「ヤリイカ」「アオリイカ」などが一般的。味わいや調理法が重視され、刺身、天ぷら、煮物、焼き物と幅広く楽しめます。水揚げ時期によって味が変わるのも、食通の楽しみのひとつです。
見て驚く、観賞・研究向けのイカの種類
水族館などで展示されるイカの中には、光を放つ「ホタルイカ」や、深海の神秘を感じさせる「ダイオウイカ」など、その姿を“観る”ことに価値がある種類も多く存在します。
特にダイオウイカは、食用には不向きなものの、巨大なサイズや深海での謎めいた生態から、研究者や博物館の人気者。標本展示が行われれば行列必至の“スター”です。
観賞用のイカは、「イカ=食べるもの」という常識を覆してくれる存在。彼らの神秘的な姿は、大人も子どもも夢中にさせます。
代表的なイカの種類と特徴
日本人が愛する“5種のイカ”を徹底比較!
イカは日本の食卓に欠かせない海の恵み。その中でも特によく食べられているイカと、珍しく高級なイカをピックアップして、特徴をわかりやすく比較してみました。
スルメイカ
・消費量:国内最多。日本の“国民的イカ”
・身体の特徴:中〜大型。赤茶色の胴体で、胴が太め
・旬と栄養価:夏〜秋が旬。高たんぱく・低脂肪でヘルシー
・味の特徴:加熱しても食感がしっかり。干物にも最適
・補足情報:いかめし・スルメ(干物)など加工品でも大活躍
ヤリイカ
・消費量:比較的高い。刺身で人気
・身体の特徴:細長い胴体に長い触腕。透明感のある外見
・旬と栄養価:冬〜春が旬。ビタミン・ミネラルも豊富
・味の特徴:柔らかく、クセが少ない。繊細な甘みが魅力
・補足情報:塩辛や煮つけにも適し、上品な味わい
ホタルイカ
・消費量:春の期間限定で人気
・身体の特徴:全長5〜7cmの小型。発光器を持ち、夜光る
・旬と栄養価:3〜5月が旬。鉄分・ビタミンA・タウリン豊富
・味の特徴:濃厚なコクと旨み。ワタの風味が特徴的
・補足情報:酢味噌和え、沖漬けなどで春の風物詩に
珍しい&高級なイカ
アオリイカ
・消費量:流通量は少なめだが人気は高い
・身体の特徴:大型で丸みを帯びた胴体。大きなヒレが特徴
・旬と栄養価:晩秋〜冬が旬。高たんぱく・低カロリー
・味の特徴:ねっとりとした極上の甘み。刺身で絶品
・補足情報:寿司店や高級料理店でも重宝される“イカの王様”
ケンサキイカ
・消費量:地域限定で人気(長崎・山陰地方など)
・身体の特徴:細身で美しい透明感。触腕が短め
・旬と栄養価:初夏〜秋が旬。消化に良く、疲労回復成分も含む
・味の特徴:ほどよい歯ごたえと甘み。淡白で上品
・補足情報:ブランド名「白イカ」や「赤イカ」としても流通
世界にはこんなイカがいる!知られざるユニークなイカの種類
世界には驚くような特徴を持つイカたちが存在します。ただの海の幸とあなどるなかれ――深海の神秘から、スミで自衛する賢者まで。今日はその中でも特にユニークな2種をご紹介します。
深海の巨人「ダイオウイカ」
名前の通り、“大王”の風格を持つこのイカは、体長10メートルを超えることもある、まさに深海のモンスター。生きた姿を見ることが極めて難しいため、「幻のイカ」とも呼ばれています。
生息地は深海200〜1000メートル。鋭いくちばしと長い触腕を持ち、獲物をがっちり捕らえる姿はまるで海の支配者。
2006年、日本の研究チームが世界で初めて生きたダイオウイカの撮影に成功したニュースは、世界中の話題をさらいました。
ちなみに、あの伝説の海の怪物「クラーケン」のモデルになったとも言われているのが、このダイオウイカ。まさに“現代の神話”に登場する存在なのです。
スミを武器にする賢者「コウイカ」
一方で、身近でありながら驚くべき機能を持つのが「コウイカ」。
体は他のイカに比べてずんぐりむっくりと肉厚で、寿司ネタでも人気があります。
しかし注目すべきはその「防御力」。コウイカは大量のスミを一気に吐き出して敵の目をくらませるという、非常に賢い防御方法を持っています。しかもスミの中には“偽のシルエット”を形成する成分が含まれており、敵に「あれが本体か」と思わせるトリックを仕掛けることも。
さらに、背中には「甲(こう)」と呼ばれる石灰質の硬い殻を持ち、浮力調整にも使うという器用な一面も。見た目とは裏腹に、戦略的で知能の高い生物として知られています。
イカの種類ごとのおすすめの食べ方
刺身に向いているイカとその理由
アオリイカやヤリイカは甘みと歯応えがあり、刺身として最適です。特にアオリイカは飾り包丁を入れることでさらに美味しく楽しめます。
焼き・煮物・揚げに適したイカの選び方
スルメイカは焼き物や煮物に向いており、ホタルイカは煮付けや揚げ物にも適しています。肉厚なコウイカも焼き物でその旨味を堪能できます。
回転寿司のイカの種類
回転寿司4大チェーンの「イカ」を比較!
どのチェーンでも基本は「真いか」を使用していました。ただし、同じネタでも味・食感・仕立て方に個性があります。
スシロー
・ねっとり食感+ほどよい甘み
・安定感のある仕上がり
・期間限定で「あおりいか」など高級ネタも登場
はま寿司
・甘み控えめでさっぱり
・軽やかな口当たり
・あっさり系を好む人向け
くら寿司
・シャリの酸味と好バランス
・甘さが引き立つ仕上がり
・クセがなく万人受けする味わい
かっぱ寿司
・甘みしっかりめ
・隠し包丁でやわらか&ねっとり
・価格以上の満足感がある一貫
「全部同じに見えて実は違う」——そんなイカの奥深さ、ぜひ食べ比べてみてください。
イカのお菓子で使われているイカの種類
イカは珍味やお菓子にも広く利用されています。それぞれに適した種類が選ばれています。
よっちゃんイカ
主にスルメイカを使用。噛み応えのある食感と濃厚な旨味が特徴で、子どもから大人まで人気のお菓子です。
イカの珍味
珍味にはコウイカやスルメイカがよく使われます。例えば、「いか黄金」ではコウイカの肉厚な身を活かし、濃厚な味付けがされています。
いかピーナ
スルメイカを細切りにしてピーナッツと合わせたおつまみ。スルメイカの甘みとピーナッツの香ばしさが絶妙にマッチします.
これらの情報を参考に、回転寿司や珍味でお気に入りのイカを探してみてはいかがでしょうか?
「イカの種類」まとめ
この記事では、釣り人から料理好きまで幅広い読者に向けて、代表的な食用から珍しい種類まで多様な「イカ」の魅力を紹介しました。ぜひこの記事を参考に、新たな調理法や知識を楽しんでください!
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