日本酒って種類あるのご存知ですよね?おそらく聞いたら「あっ!聞いたことある!」ってなると思います。
でも、何種類あるか知ってますか?なぜ、種類分けされたか知ってますか?
そんな「お酒の種類」に関するトリビアをご紹介します。
日本酒の種類
「日本酒」は9種類に分けることができます。
- 純米酒
- 純米吟醸酒
- 純米大吟醸酒
- 特別純米酒
- 吟醸酒
- 大吟醸酒
- 本醸造酒
- 特別本醸造酒
- 一般酒
「日本酒」の定義と3つのカテゴリ
「日本酒」とは
- 米
- 米麹
- 水
を利用して醸造(じょうぞう)したものを言います。
そこから4つのカテゴリに分かれ、原材料と米の精米歩合によって
- 純米酒
- 吟醸酒
- 醸造酒
- 一般酒
この3つのカテゴリから9種類の「日本酒」の種類に区分されます。
✳︎一般酒は他の3つのカテゴリに属さないお酒が分類される。
「純米酒」カテゴリは4種類に分かれる
「純米酒」は「米」「米麹」「水」だけが原料の日本酒です。「米」の深みを味わえるお酒。
「純米酒」というカテゴリから米の精米歩合によって4種類に分かれます
- 純米酒
- 純米吟醸酒
- 純米大吟醸酒
- 特別純米酒
「吟醸酒」カテゴリは2種類に分かれる
「醸造酒」は純米酒の原材料に「醸造アルコール」という主にサトウキビを原料としたアルコールをプラスして作られた日本酒です。
「醸造酒」というカテゴリは2つの種類に分かれます。
- 吟醸酒
- 大吟醸酒
「本醸造酒」カテゴリは2種類に分かれる
「醸造酒」も純米酒の原材料に「醸造アルコール」という主にサトウキビを原料としたアルコールをプラスして作られた日本酒で、コメの精米歩合が60%以下のものを言います
「本醸造酒」というカテゴリは2つの種類に分かれます。
- 本醸造酒
- 特別本醸造酒
「一般酒」カテゴリは1種類だけ
一般酒は種類分けされず「一般酒」という種類で扱われる。
日本酒の「種類」はもともと等級制度だった
日本酒の「種類」はもともと「等級」で分けられていました。
- 特級(優良な品質)
- 一級(佳良な品質)
- 二級(優良、佳良以外のもの)
この「等級」により「酒税」が決められていた。(等級が高いほど税率も高い)
日本酒の「等級」の決まり方
「等級」は国税庁の委員による審査で決められ
- 味
- 色
- 香り
など、酒蔵から提出されたサンプルを審査します。
ただ、問題もあり
- 色が少し悪いくらいで等級が落ちる
- 独特の香りを持つと個性・特徴ではなく、悪いと判断される
と評価され
- 酒蔵が「高級」な日本酒として作っても低い評価を受ける
- 日本酒を購入する消費者の「好み・感じる美味しさ」にリンクしない評価
など、決してよい評価制度ではありませんでした。
「等級」は酒税を決める基準であって「良い日本酒かどうか?」判断する基準ではありませんでした。
「等級」が廃止され新たな制度が制定される
酒蔵はそんな意味のない「等級」を無視し、酒税の安い「2級」として発売するところも出てきます。
このような流れになり、そもそも「等級」制度の意味がなくなりました。
そして「制度」の見直しが行われて、「特定名称酒」の制度が導入され、「日本酒の種類」は以下の9つの種類に分類されました。
- 純米酒
- 純米吟醸酒
- 純米大吟醸酒
- 特別純米酒
- 吟醸酒
- 大吟醸酒
- 本醸造酒
- 特別本醸造酒
- 一般酒
「生酒」「生貯蔵酒」「生詰酒」という種類もある
「日本酒」には
- 生酒
- 生貯蔵酒
- 生詰酒
という種類もあります。
違いは「日本酒」は加熱処理のため2度火入れします。しかし
- 生酒は1度も「火入れ」をしない
- 生貯蔵酒と生詰酒は1度「火入れ」をする
作るプロセスが違う「日本酒」になります。
日本酒の「銘柄」の種類はどれくらいあるの?
「日本酒」の種類は9種類に分類されますが、「銘柄」(獺祭、菊正宗など)はどれくらい種類があるのか?
正式な種類数は把握されていません。ただ1万以上と言われています。
日本酒の「熱燗」の種類
日本酒を熱くして飲む「熱燗」。「熱燗で!」なんて注文してる人が多いですが、実は「熱燗」にも温度により種類があります。
「熱燗」の種類により、香りの立ち方が変わってきますので詳しく説明します。
温度の違いによる「熱燗」の種類一覧
日向燗(ひなたかん) | 約30℃ |
人肌燗(ひとはだかん) | 約35℃ |
ぬる燗(ぬるかん) | 約40℃ |
上燗(じょうかん) | 約45℃ |
熱燗(あつかん) | 約50℃ |
飛び切り燗(とびきりかん) | 約55℃ |
日向燗
30℃。ほんのりと香りが立つ温度に温める。熱さはそれほど感じない
人肌燗
35℃。米や麹の匂いがほのかにします。熱さは持つと「暖かい」と感じるくらいです。
ぬる燗
40℃。香りが良いと感じる温度です。飲むと「熱い」と感じるちょっと手前くらいです。
上燗
45℃。徳利などに入れると「湯気」が見えます。キリッとした香りを感じます。
熱燗
50℃。徳利から湯気がでる。ツンとした香りではなく、キレがいい感じの香りです。
飛び切り燗
55℃。徳利が熱く感じる温度。シャープな香りがします。
冷たい日本酒の種類「冷や」と「冷酒」は違う種類??
夏には「冷たい日本酒」を飲みますが「冷や」と「冷酒」は違うってご存知ですか?
実はこの2つ日本酒の「温度」に違いがあります。
- 冷や(20℃前後で常温の日本酒のこと)
- 冷酒(5℃〜10℃の日本酒のこと)
イメージとして「冷や」と「常温」、「燗」で冷たい、普通、暖かいを分けてる気がしてましたが、実は「冷や」と言えば「常温」のお酒のことを指してるんですね。
「冷酒」にも種類がある
「冷酒」は5℃〜10℃ですが、この温度の違いにも種類があり、それぞれ「呼び名」が付けられています。
- 5℃ 雪冷え
- 10℃ 花冷え
- 15℃ 涼冷え
なんとも日本らしい名前の付け方ですが、居酒屋で「冷酒」を注文して、この呼び名で温度を指定しても通じるのかは謎です・・・
「冷酒」という種類が登場した背景
実は「冷酒」の歴史は浅いです。1950年以降に登場しました。
これは1950年に家庭用の冷蔵庫の生産が始まり、普及していったことが関係しています。元々、日本酒は常温と温めてのむ「燗」で飲まれていました。
しかし、冷蔵庫の普及で「日本酒を冷やして飲む」という楽しみ方ができて、「冷酒」という種類ができました。
「日本酒」の季節ごとの種類
「日本酒」は季節ごとに種類分けされるって知ってますか?
1年中、日本酒は飲めるので、それぞれの季節で作られるお酒の仕上がりには違いが生まれます。
季節ごとの「日本酒の種類」について詳しく説明します。
冬に作られる日本酒の種類は「新酒」
冬は1番日本酒作りが盛んになるタイミングです。
この時期に作られるお酒を「新酒」と呼びます。「新酒」の特徴としては「フルーティー」で「フレッシュ」な感じがします。フレッシュな感じなので日本酒独特の刺激を感じやすい種類のお酒です。
春に作られる日本酒の種類は「春酒」
春に出来上がる日本酒は「春酒」と呼ばれます。
「春酒」の仕込みは「冬」に行われています。そこから春まで熟成されるので、香りが良くなり何とも味わい深いお酒に仕上がっています。
夏に作られる日本酒の種類は「夏酒」
夏に作られるお酒は「夏酒」と呼ばれます。
暑い季節に飲みやすいように、清涼感のあるお酒に仕上がっています。
飲みやすくする工夫として炭酸を加えたスパークリングなどもこの時期を代表するお酒になります。
秋に作られる日本酒の種類は「ひやおろし」
秋に出るお酒は「ひやおろし」と呼ばれます。
仕込みは冬にしたもので、ひと夏「貯蔵」して熟成させた日本酒なので旨みや香りが増します。
日本酒を表現する「味」「香り」の種類
日本酒を飲んだ時にその「味」や「香り」を感じると思います。でも、それを的確な言葉で表現できますか?
知覚を言葉に置き換えることは非常に難しいですが、日本酒を表現する的確な言葉がいくつかあります。
日本酒の「味」と「香り」を表現する言葉の種類をまとめてみました。
日本酒の「香り」の表現
日本酒の香りを表現する言葉の種類です。
- ふくよか
- 華やか
- 爽やか
- 熟成された
- フルーティー
「ふくよか」とは、日本酒の素材である米などの香りを感じた時に表現される言葉です。
「華やか」とは、吟醸香と言われ、吟醸造りの工程で生まれる「甘い」香りのときに使われる言葉です。
「爽やか」とは、スッキリした酸味を感じた時に表現される言葉です。
「熟成された」とは、カラメルやナッツに近い、長期間熟成した日本酒の香りに使われる表現です。
「フルーティー」とは、バナナなど果物みたいに甘味のある香りを表す表現です。
日本酒の「味」の表現
日本酒の「味」を表す表現の種類です
- さっぱり
- スッキリ
- なめらか
- コクがある
- 香りの高い
- ふくよか
- 熟成
「さっぱり」とは、後味が引かないスッとした味の時に表現する言葉です。
「スッキリ」とは、辛口のお酒で使われる表現、軽やかで控えめな日本酒に使われる表現です。
「なめらか」とは、生酒に使われる表現で新鮮な香りを感じた時に使われます。
「コクがある」とは、日本酒の濃厚な旨み(苦味を含めたさまざまな味)を感じた時に使う言葉。
「香りの高い」とは、華やかな果実のような甘い香りを感じた時に使う表現。
「ふくよか」とは、日本酒の持つ旨み成分を感じた時に使う言葉。
「熟成」とは、飲んだ時に「重み」やよい後味を感じた時に使う言葉です。
日本酒の原料「酒米」の種類とその種類数
日本酒はお米を原料として作られていますが、そのお米によって味が変わることが知られています。
日本酒の原料となるお米は「酒米(さかまい)」と言って、日本酒用に開発されたものです。酒米にもさまざまな種類があり、種類数は126種類あります。
特に「有名な日本酒の種類」で使われている「酒米」の種類を紹介します。
- 山田錦(やまだにしき)
- 雄町 (おまち)
- 五百万石(ごひゃくまんごく)
- 亀の尾 (かめのお)
- 美山錦 (みやまにしき)
- 八反錦 (はったんにしき)
- 愛山 (あいやま)
- 千本錦(せんぼんにしき)
- 白鶴錦(はくつるにしき)
- 酒未来(さかみらい)
- 出羽燦々(でわさんさん)
- 越淡麗 (こしたんれい)
- 秋田酒こまち(あきたざけこまち)
- 祝(いわい)
- 吟風(ぎんぷう)
- ひとごこち
- 金紋錦(きんもんにしき)
- 山恵錦(さんけいにしき)
- たかね錦
- しらかば錦
- 山酒4号(やまさけよんごう)
- 改良信交(かいりょうしんこう)
日本酒の酵母の種類(清酒酵母)
日本酒作りで酒米に含まれる糖分を「アルコール」に変えるのが「酵母(こうぼ)」です。この酵母にも種類があります。
日本酒の酵母は「清酒酵母」と呼ばれ、酵母によって日本酒の味が変わります。味の安定のために「日本醸造協会」によって管理されています。
「日本醸造協会」が管理・販売している「日本酒の酵母」の種類
- 協会1号
- 協会2号
- 協会3号
- 協会4号
- 協会5号
- 協会6号
- 協会7号
- 協会8号
- 協会9号
- 協会10号
- 協会11号
- 協会12号
- 協会13号
- 協会14号
- 協会15号
- 601号
- 701号
- 901号
- Karn−9
- リンゴ酸多酸性酵母
- 多酸芳香酵母
- 少酸性酵母
の22種類です。
これが全ての「清酒酵母」ではなく、日本酒を土地の名産としたい自治体が独自に開発している「清酒酵母」もあります。
自治体が管理・販売している主な日本酒の酵母の種類
- うつくしま夢酵母(福島県)
- AKITA雪国酵母(秋田県)
- 長野酵母R(長野県)
- 静岡酵母(静岡県)
各県で「香りが良い」「風味を損なわない」「酸味が欲しい」など、細かい要望に沿うように酵母の開発が進められてきました。
酒蔵が「日本酒の酵母」を保有していた
今は、都道府県単位で「酵母の開発」をしていますが、歴史を辿ると各「酒蔵」単位で、独自の「清酒酵母」がありました。
今ではかなり減っていますが、その酒蔵に住み着いた「酵母」がいて、それを利用して日本酒を作っていました。
長い間、お酒を作っている蔵には酵母が建物などに付着して、酒蔵に酵母が残るそうです。
花から生まれた日本酒の酵母「花酵母」
花の蜜から酵母を作ることができます。
- サクラ
- ひまわり
- ナデシコ
などの花から抽出でき14種類以上の花からできた「清酒酵母」があります。
「花酵母」は東農大の教授が世界で初めて誕生させ、香りや甘みが強いのが特徴の「清酒酵母」です。
日本酒を飲む「酒器の種類」
日本酒を飲む時、お酒を注ぐ物を「酒器(しゅき)」と言います。
日本酒の時はどんな「酒器」を使ってますか?実は「酒器にも種類」があります。
その種類を紹介します。
- おちょこ
- 盃(さかずき)
- 升(ます)
- コップ
- ワイングラス
「おちょこ」は日本酒を飲む時によく使われる酒器です。徳利とセットで使われてます。江戸時代から日本酒の主機として使われるようになりましたが、それ以前は、酢の物や和物を入れる器として使われてました。
「盃(さかずき)」は元々神事などで使われており特別な日に使うという風習があります。しかし、日常使いもOKで一口で飲みきれ、注ぎ合うことでコミュニケーションが生まれます。
「升(ます)」は、こぼれ酒の受け皿のイメージが強いですが、そのまま注いで飲んでもOKです。升の縁に少し「塩」を置いて飲むのも美味しい飲み方です。
「コップ」は、枡酒のとき使用されるグラスのことです。居酒屋で注文すると枡酒で提供されることがあるので、みなさんもイメージしやすいと思います。
「ワイングラス」は、最近使われるようになりました。日本酒の香りをグラスに留めやすく、色味を楽しむことができます。
日本酒の「栓」(キャップ)の種類
日本酒の瓶に使われている「栓」(キャップ)にも種類があります。
- PPキャップ
- 冠頭(王冠)
- リフトオフキャップ
「PPキャップ」は回して開けるタイプの「栓」です。回すとキャップの下部がミシン目になっていて上部と分かれます。
「冠頭(王冠)」は一升瓶に使われていることが多いタイプで、「スポン」と抜けるタイプのキャップです。
「リフトオフキャップ」はワンカップのお酒の蓋と言えば、イメージできると思います。
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